東京都で看護師・准看護師を目指す方が利用できる代表的な制度に「東京都看護師等修学資金」があります。毎月2万5,000円から10万円を選べますが、原則は返還が必要な貸与です。一定の施設で必要年数働き、申請して認められた場合に返還が免除されます。
この記事では、2026年度の東京都公式案内を基に、貸与額、返還免除条件、ほかの支援制度との違いを比較します。
東京都看護師等修学資金の比較表
| 月額 | 指定施設で5年勤務 | 都内の対象施設で5年勤務 | 指定施設で7年勤務 |
|---|---|---|---|
| 2万5,000円 | 全額免除の対象 | 全額免除の対象 | ― |
| 5万円 | 全額免除の対象 | 全額免除の対象 | ― |
| 7万5,000円 | 全額免除の対象 | 5万円相当分が免除対象、残りは返還 | ― |
| 10万円 | 7万5,000円相当分が免除対象、残りは返還 | 5万円相当分が免除対象、残りは返還 | 全額免除の対象 |
※2026年度東京都看護師等修学資金の案内を要約しています。「対象」は自動免除を意味しません。就業先、継続期間、手続などの条件を満たし、返還免除申請が認められる必要があります。
対象者と主な条件
- 保健師・助産師・看護師・准看護師の養成課程などに在学している
- 成績が良く、心身が健康で、経済的理由により修学が困難である
- 卒業後、都内の対象施設等で5年以上看護業務に従事する意思がある
- 都外の養成施設に在学する場合は、東京都内に継続して住所を有するなどの条件を満たす
- 同種の返還免除付き修学資金を重複して受けていない
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は併用できると案内されています。ただし、学校や医療機関独自の奨学金は重複制限がある場合があるため、申請前に学校窓口へ確認してください。
返還免除で重要な「指定施設」
貸与額が7万5,000円または10万円の場合、全額免除を受けるには指定施設での勤務が重要です。指定施設には、一定の規模・機能の病院や診療所、介護・福祉関係施設などが含まれますが、すべての都内医療機関が同じ扱いではありません。
将来働きたい施設が免除条件に該当するか分からない場合は、就職前に東京都または学校へ確認してください。「都内で働けば必ず全額免除」と考えるのは危険です。
東京都の修学資金と他制度を比較
| 制度 | 種類 | 主な対象 | 返還 | 相談先 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都看護師等修学資金 | 貸与 | 看護師・准看護師等の養成課程の学生 | 原則必要。勤務条件を満たせば免除の可能性 | 在学する学校 |
| JASSO奨学金 | 給付・貸与 | 対象となる学校の学生 | 給付は不要、貸与は必要 | 在学する学校 |
| 教育訓練給付 | 給付 | 雇用保険の加入歴などの条件を満たす方 | 原則不要 | ハローワーク |
| 高等職業訓練促進給付金 | 給付 | 要件を満たすひとり親 | 原則不要 | 区市町村 |
| 学校・医療機関の奨学金 | 制度による | 各制度の対象者 | 勤務条件や返還条件を個別確認 | 学校・医療機関 |
申し込みから貸与までの流れ
- 在学する学校で募集時期と対象条件を確認する
- 必要書類を学校へ提出する
- 東京都の選考を受ける
- 採用決定後、誓約書などの手続きを行う
- 貸与を受け、卒業・免許取得後は就業状況の届出を行う
- 条件を満たしたら返還免除を申請する
申し込めば必ず採用される制度ではありません。募集枠や選考があり、学校ごとに申込締切も異なります。入学前から利用を想定している方は、学校説明会で前年の募集時期を聞いておくと安心です。
返還が必要になる主なケース
- 養成課程を退学した
- 卒業後、定められた期間内に免許を取得できなかった
- 対象外の地域・施設へ就職した
- 必要な勤務期間を満たす前に対象業務を離れた
- 就業状況の届出や免除申請を行わなかった
返還猶予の対象になる場合もあるため、進学、休職、退職、転職など状況が変わったら、自己判断せず早めに東京都や学校へ相談してください。
よくある質問
准看護師養成所の学生も対象ですか?
はい。東京都の案内では准看護師養成課程も対象に含まれます。ただし、学校、居住地、ほかの修学資金との併用など個別条件があります。
10万円を借りれば5年勤務で全額免除ですか?
必ずしも全額免除ではありません。10万円の場合、指定施設で7年間勤務することが全額免除の基準です。5年勤務では、勤務先に応じて一部を返還する場合があります。
まとめ
東京都看護師等修学資金は月額2万5,000円、5万円、7万5,000円、10万円から選ぶ貸与制度です。免除される範囲は貸与額、勤務先、勤務年数で変わります。借りる前に、希望する就職先が免除条件に合うか、免除されない場合に返還できるかまで確認しましょう。



