ブログ 📅 2026.06.23 🔄 2026.06.23 ⏱ 4分で読めます

ナイチンゲールの書き机

op.2 これは看護でありません。これは看護です

 バーンズ先生、本当にあっさり英国に帰ってしまいました。今週の「風、薫る」は一ノ瀬りん達4人が帝国医大病/院の看病婦取締役になって看護と学生指導の両方に がんばる光景が描かれ、今が旬の4女優の群像描写はとても魅力的です・・・しかし私、バーンズ・ロスをしみじみ味わっています。バーンアウト症候群です。

演じたエマ・ハワードはロンドン育ちの女優ですが、冷徹なスコットランドの女教師かくあらんと納得させ、特に目の動きと日本語の抑揚で鋭い観察眼と深い慈愛を同時に感じさせる入神の演技でした。

ナイチンゲールその人は、広い心と人間愛の中に強靭な意志を秘めていたと言われます。私はむしろ、明晰な知性と意志が表に出て、内奥には決してくじけない強靭な人間愛の芯を持っていたのがナイチンゲールであり、その後継のバーンズことアグネス・ヴェッチ、そのまた後継の一ノ瀬りんこと大関和たちであると勝手に想像しています。ナイチンゲールが「看護婦と見習い生への書簡」に書いた『もっと大きな愛は、私たちがひどく傷つけられたときでも、相手をその場で許すということなのです』は、生半可な覚悟で言える言葉ではありません。

バーンズ先生の一番の名場面と言えば、「それは看護ではありません」「それが看護です」でしょう。初めは学生達に看護学を教えるのではなく、来る日も来る日も病床のベッド・メイキングとシーツ交換を何十遍とやらせては”This is not nursing”とダメ出しをくりかえし、学生達はヘトヘトになって、でも無心に体を動かしてベッドを整えたその時に”This is nursing!”と合格点を出した、スマイルの爽やかなこと!

ナイチンゲールはクリミア戦争から帰って著作に没頭し。異常なほどの細部への拘りと熱意をこめた「看護覚え書 Notes on Nursing」を1860年に発表します。本書の副題とした”What It Is and What It Is Not”を、バーンズ先生はキャッチーに訳して伝えてくれたんですね。

「看護覚え書」では特に病室内の換気、部屋と壁の清潔、ベッドと寝具の衛生についてこれでもかとしつこく微細な考察を重ねています。エアコンや空気清浄機の進歩した今読んでもストンと胸に届くのは、本書が常に患者をいたわる視点で書かれているからです。

ナイチンゲール病棟の挿絵を見つつ、不意にアメリカの女性詩人E.ディキンソンが書いた絶唱を思い出しました。

Ample make this bed. Make this bed with awe;

このベッドをゆったりと作れ 畏れをもってととのえよ 

から始まる八行詩で、弔いの備えを詠んでいます。映画「ソフィーの選択」で不滅の詩となりました。

フローレンス・ナイチンゲール1820年生まれ

エミリー・ディキンソン1830年生まれ

アグネス・ヴェッチ1842年生まれ

あまりに暗く美しい この詩についてはいずれまた

(6.22 キキョー・ゼペット記)

この記事をシェアする

関連記事

「准看護師への一歩を、ここから。」 100%の合格率・就職率、安心の教育環境。 あなたの夢を全力でサポートします。

今すぐ説明会に申し込む
LINEで気軽に何でも相談 [入力1分] 資料・説明会申込